毎日頑張っているのに腹筋が割れない。おなかの脂肪に覆われてなかなか見えない。そんな方多いと思います。安心してください。割れます。腹筋について正しい知識をもって正しい方向に努力すれば必ず割れます。必ずです。この記事では腹筋の解剖学から効果的な種目、強度、頻度まで徹底解説していきます。
1.腹筋が割れる仕組み
結論から言うと腹筋はもともと割れています。一般的に腹筋と呼ばれる腹直筋は一枚の板状になっていてその上を縦一本横数本の腱が押さえつけて区切られています。
このマッスルマンで説明します。
赤く囲まれているところが一つの板状になっていてそれを腹直筋と呼びます。
縦の太い白い線は見た目の通り”白線”と呼ばれ、横に走っている細めの白い線が腱画と呼ばれます。
この腹直筋が発達していればいるほど腱画に押さえつけられている部分との凹凸が顕著になり腹筋が割れて見えやすくなります。極端に言ってしまえば脂肪が全くついていなければ腹筋を全く鍛えたことのない人でも割れて見えます。
ただこれを読んでいるあなたが目指しているのは浮き出ただけのガリガリ腹筋でないのは承知です。
しっかりと割れた腹筋を手に入れるためには、
1.腹筋をできるだけ肥大させて、
2.脂肪を落とす。
というのが鉄則です。当たり前のように聞こえますがこれしかありません。
あとはどのようにそれらをどれだけ効率的にやるかです。
2.腹筋が見えるのは体脂肪率何パーセントから?
まずはどこにゴールを設定していくのか目安が必要ですよね。
腹筋を鍛えている前提で、うっすらと見えてくるのが15%あたりだと思います。10%にもなるとバキバキ、絞れてるといった表現が近いと思います。トレーニング歴5年以上、なおかつ腹筋のトレーニング週3回以上欠かさないなどといった上級者になると体脂肪率15%以上でもラインが見えることはありえます。要は腹筋厚いもん勝ちです。下にある参考画像はあくまでも目安程度にしてください。
ただ家庭用の体重計で測る体脂肪率は決して正確とは言えないのであくまで参考程度にしてください。
3.おなかの脂肪を効率よく落とすには?
よく、「おなかの脂肪だけ落ちないんだよなー」という嘆きを聞きます。
これは多くの人が知りたいと思いますが、”部分痩せは可能なのか?”
答えは”できなくはないが現実的ではない”です。
脂肪が燃焼するプロセスを簡単に説明します。人間は体を動かす際に糖をエネルギーとして使いますが、糖が足りなかったり運動時間が長くなると脂肪をエネルギーとして使うようになります。ここで使用される脂肪は基本的に優先的にどこかからとは決まっておらず全身平等に落ちていきます(という説が有力です)。しかし最近ではよく動かされる部位の脂肪はより燃焼されるという研究結果も出ているとかいないとか。
この論争は一度始めるとものすごくなるので、詳しくは別の記事で。
男女差個人差はありますが、ほとんどの人にとっておなかはもっとも脂肪を蓄えやすい場所です。全身の脂肪が均等に燃焼されていくと仮定すると、おなかの脂肪をある程度燃焼する頃にはほかの部位の脂肪はほとんどなくなっていることになりますよね。
考えてみると腹筋われてるのに二重あごの人とか、腹筋われてるのに二の腕たぷんたぷんのひととかいないですよね?(笑)
残酷な現実ではありますがおなかの脂肪を落とすためには全身の脂肪を根気強く落としていくのが最善策です。
脂肪を落とすためにはカロリー収支をマイナスにする必要があります。要するに燃やしたエネルギー以上に食べるな(もしくは食べた分のカロリーより多く燃焼しろ)ということです。
活動量が普通の成人男性の推奨1日摂取カロリーは約2500kcalです。そして、25歳170cm70kgの男性の推定基礎代謝量は約1700kcalです。
つまり脂肪を減らすためには
2500-1700=800kcal分以上
を運動で消費しなければならないことになります。
実際は日中の活動でもエネルギーを消費しているので数字はおおよそです。収支が250kcalでも500kcalでもマイナスになっていればみるみる脂肪は落ちていきます。
また、摂取カロリーを低く設定することでマイナスを達成することも可能です。ここで一つ注意点として、摂取カロリーを低くしてもタンパク質は多めにとるように心がけましょう。厳密にいうと摂るカロリーの中でタンパク質の割合が30%以上だと理想的です。
このように、摂取カロリーのうち三大栄養素のどれがどのくらいの割合を占めているかを示すものをPFCバランスといいます。(Protein タンパク質Fat 脂質Carb 炭水化物)PFCバランスを注意することはダイエットや肉体改造に必須です。
十分なタンパク質補給は筋肉を増やすためだけでなく、脂肪と共に筋肉が分解されてしまうのを防いでくれたり代謝を上げてくれたりするなど様々な働きがあります。
より早く効果を見たい方は食事の管理と筋トレに加えて有酸素運動、HIITなどの脂肪燃焼に特化したメニューを追加してもよいでしょう。HIITについては別の記事で解説します。
4.おすすめの種目は?
腹筋を鍛える種目のうち多くは自分の体重を負荷とします。トレーニングを始めたてのひとにとってはこれらは十分な負荷になりますが、ある程度トレーニングを積むと50回100回とできてしまいます。これではトレーニングの基本であるオーバーロードの原理にかなっていません。大胸筋を大きくするためにベンチプレスをして徐々に重量を上げていくのと同じように腹筋を肥大させるにはかける負荷も徐々に上げたいわけです。
そこで、負荷が高い種目は何か。3つ例を挙げると、ハンギングレッグレイズ、腹筋ローラー、ケーブルクランチです。
私がこの3つを高強度腹筋トレのおすすめとしてあげたのには理由があります。
それは、それぞれの種目で腹筋に一番負荷がかかるタイミングが違うからです。
これはPOF法(Position of Flexion)という考え方で、直訳すると”収縮する位置”法になります。詳しくは別の記事で解説します。
ハンギングレッグレイズはミッドレンジ種目、腹筋ローラーはストレッチ種目、ケーブルクランチはコントラクト種目に分類されます。これら3種類を全て取り入れることで効果を最大化できます。
負荷を徐々にと強くするオーバーロードの原理と3種類の違う負荷をかけるPOF法を活用した私が効果的だと思うメニューの組み方を紹介しておきますので参考程度にどうぞ。
Level 1 ライイングレッグレイズ
Level 2 ハンギングレッグレイズ(膝を曲げた状態で)
Level 3 ハンギングレッグレイズ(足を伸展させた状態で)
Level 1 膝コロ(膝をついた状態で腹筋ローラー)
Level 2 壁コロ(立ちコロですが伸ばしきるところで壁をストッパーにして戻る)
Level 3 立ちコロ(普通の腹筋ローラー)
Level 1 クランチ(手は頭の後ろ)
Level 2 クランチ(手を頭の延長線上に伸ばす)
Level 3 ケーブルクランチ
クランチのバリエーションに共通してアドバイスとして、体が丸まった状態のときに息を全部吐ききっているように注意してください。肺の中に空気がないことで、腹直筋の停止位置である肋骨下部と起始位置である恥骨がより近づき効果が倍増します。
それぞれの種目の移行時期としては余裕で20回程度できるようになった頃にしましょう。
5.何ヶ月くらいで割れてくる?
一時的に割れた腹筋を手に入れたいなら3か月かからずできると思います。
ただ、私は半年からできれば1年以上のスパンで取り組んでいただきたいです。
理由としては、
1.体脂肪率を落としすぎるのは健康的ではない
2.体脂肪率が低いとホルモンバランスが崩れ筋肉が成長しないもしくは退化する可能性がある
3.筋肉量を増やしながら脂肪を落とすことは現実的ではない
からです。トレーニングを始めたばかりの方や始めて間もない方はまずは腹筋を肥大させることに重点を置いて半年から1年続けてみましょう。
体脂肪率15%前後なのに影が見えてくる気配すらないといった場合に初めて、もうひと絞り脂肪を落とす努力をしてみるといいかもしれませんね。
というわけでこの記事を読んだあなたは、腹筋を割るために必要なことは全て学びました。あとはやるのみ。
割れた腹筋はすぐに目に見えないかもしれませんが、こなせるトレーニングの強度が上がったりすると意外とモチベーション保てます。見た目だけを気にせずに根気強く続けていきましょう!
農林水産省 1日に必要なエネルギー量と摂取の目安https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/required.html#:~:text=%E6%B4%BB%E5%8B%95%E9%87%8F%E3%81%AE%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%84%E6%88%90%E4%BA%BA,%E3%81%A0%E3%81%91%E3%80%8D%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%9F%E3%82%89%E3%82%88%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%80%82
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