この記事では筋肉痛を和らげる効果が期待される食べ物を紹介していきます。
筋肉痛を和らげる方法についての記事はこちら。
スイカ
スイカに含まれるL-シトルリンというアミノ酸が血中乳酸濃度を低く保ち筋肉痛を軽減することがわかっています。
この研究では一つのグループに500mlスイカジュース(3.45gのL-シトルリン)をもう一つのグループにはプラシーボドリンクを飲んでもらい、二時間後にハーフマラソンを走らせ、筋肉痛の感じ具合、血中乳酸値、垂直飛びの記録を計測しました。両グループともどちらを飲んだのかは知らされていませんでしたが、結果はスイカジュースグループの方が筋肉痛の度合い、乳酸値ともに大きく低く、垂直飛びの高さもほとんど変わりませんでした(プラシーボグループは落ちた)。[1]
ショウガ
ショウガに含まれる6-gingerol と 6-shogaolという成分には鎮痛作用があります。この効果を筋肉痛に特化して証明した研究があります。
2010年に行われたこちらの研究では、非利き腕のアームカールを120%1RM でネガティブ動作(下ろす動作のみ)を6回3セットのあとやらせ、感じられる筋肉痛の度合いを生ショウガグループ、加熱ショウガグループ、プラシーボグループにおいて調べました(全てカプセルによる摂取)。
ショウガの摂取量は生、加熱ともに2g。
結果はネガティブトレーニングから24時間後、生ショウガグループにおいて25%、加熱ショウガグループにおいて23%痛みが軽かったです。この効果はショウガに含まれる6-gingerol と 6-shogaolが、腫れを引き起こすまたは筋肉の機械的刺激への感度を過度に高める物質(シクロオキシゲナーゼなどの酵素、ロイコトリエン、サイトカイン)の生成、働きを抑制するためだとされています。[2]
※ネガティブ動作中筋肉はエキセントリック収縮といい筋肉の長さが伸びながら収縮している状態で、筋繊維の機械的破壊が起こりやすく筋肉痛をより誘発するとされています。
タルトチェリー
この研究では20人の日常的にマラソンを走る被験者をタルトチェリージュースグループとプラシーボジュースグループにわけ、マラソンを走る五日前、当日、48時間後にそれらのジュースを摂取させました。
結果はなんと、タルトチェリージュースグループのほうが筋肉痛の感じ具合に加え、腫れも少なく酸化ストレスも小さかったのです。
そしてマラソン後の筋力の回復も早まりました。これはタルトチェリーに含まれる植物性化合物がもたらす抗酸化能力の向上、少ない腫れ、脂質過酸化作用によるものであると考えられます。[3]
パイナップル
パイナップルはビタミンCが豊富に含まれていることもあり、大きな抗酸化作用があります。そのほかにも食物繊維、マグネシウム、ビタミンB6などの筋肉に嬉しい栄養素が豊富です。マグネシウムは男性ホルモンの増加にも貢献します。詳しくは別の記事で書いています。
またパイナップル特有なのはブロメラインというたんぱく質の分解に働く酵素で、損傷した細胞の修復し、炎症を抑えます。ブロメライン軟膏という塗り薬としても使われます。
[1] https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/16546628.2017.1330098?src=recsys&
[2] https://www.jpain.org/article/S1526-5900(09)00915-8/fulltext